化学物質過敏症というものがあります。
これは全人口の約1割はいると推定されている身近な症候なのですが、今回はその話です。
身体には化学物質に対するある程度のキャパシティがあるのですが、体内に少しずつ蓄積されてゆきコップの水が溢れる様に飽和状態を超えると、発症するようになります。
いったん発症すると微量でも症状が出たり他の物質にも反応したりするのです。

 その原因となる物質がどこからもたらされるかというと、大気汚染、殺虫剤、農薬、薬品、食品添加物、農薬残留の食品、洗剤などで、日常でわれわれの身近にあるものばかりです。
最初の症状としてよく現れるのが、粘膜刺激による目の症状です。
目のかすみ、ちかちかする、視力低下、涙目、眼精疲労等。

 自律神経に影響が及ぶと発汗異常、手足の冷え、頭痛、めまい、肩こり、消化器症状等、また精神症状では不眠、不安、思考力や記憶力の低下などです。
こういった危険性にさらされるのは家事労働で日常的に化学物質に触れる機会の多い女性です。
しかも男性より女性のほうが種族保存のため、危険物質には過敏に反応するのではと、考えている研究者もいるようです。
こういった要らない物質が身体に蓄積してゆくことは極力避けたいものです。

 では、どう予防・解毒・排泄したら良いのかについてです。
化学物質過敏症を引き起こす原因は大気汚染、殺虫剤、農薬、薬品、食品添加物、農薬残留の食品、洗剤などで、日常でわれわれの身近にあるものでした。
まずこれらの物質を身近な生活から遠ざけるのが1番目の予防法になります。
揮発性の物質は呼吸により体内に入ります。
洗剤などは皮膚からの吸収もありますので、身体に入る経路を考えた予防法が必要です。
揮発性の物質が使われているなら換気を、洗剤を使うなら手袋をマメに使うなどといったことです。
(もっとも自分の抱えている症状が化学物質過敏症なんだと分かっていることのほうが先決ですが・・)

 そしていったん体内に入って蓄積された物質の排泄法ですが、発汗と運動が有効なようです。
ぬるめの入浴を長めにしたりすることで、発汗を促すことで血液中の有機化合物を減少させることが出来るのです。
(半身浴はとても良いようです。経験者によると首の周りから重金属を含んだ汗がたっぷり出るとのことです)
ただ脂肪に蓄積された化学物質は排出されないので運動により脂肪を減少させる必要があるのです。
また、ビタミンA,C,Eや亜鉛、マグネシウム、セレン、モリブデンなどのミネラルを摂ることで分解・排泄を促すことが出来ます。

 こういった症候を引き起こす原因物質を見れば、完全に縁を切って暮らすというのは難しいものです。
生活を便利にするのと引き換えに身体に入ってくるリスクとも言えるでしょう。
であるならば、将来の自分の身体を守るためにほんの少しでも意識を持って、より少ないリスク(添加物、化合物の少ない商品を選ぶ)をとってゆく事が重要だと言えそうです。