前回はパン職人の彼女達が新婚旅行をかねた旅に出発してゆく時の世間の状況がいかにヒステリックであったかという話でした。
出発の当日、成田からメキシコへ旅立つ日本人観光客がいるということで空港でフジテレビの取材を受けたそうです。
私にもそのとき話していたのですが、彼女達はメキシコに行くのが目的ではなく、メキシコ経由でペルーに行きたかったそうなんです。
それをテレビ取材にも話したそうです。

 さて、ここから私も彼女達のキャラに感嘆させられる話が連発するのです。

「なぜ、メキシコ経由でペルーなんですか?便が不便そうですし、時期が時期ですしね」
彼女
「旦那が昔、アメリカに滞在してたんですが、ビザの期限が切れてるのを忘れちゃってて。ビザを改ざんしたんですけど、それがバレちゃって捕まって強制送還されたそうなんです」

「なるほど。1度強制送還されたらアメリカは2度とビザを発給しないでしょうね」

すごい!私もこのブログで書いたように1ヶ月以上バックパッカーでアメリカを放浪したけれども、パスポートと帰りの航空券は命の次に大切にしてたぐらいなのに。
ビザの期限を忘れるとは。しかも、改ざんするとは。たぶん、6の数字を8に書き加える程度のことなんだろうけど。

 さて、彼女達がメキシコに着いてその後ペルーに乗り換えようとすると・・・・
ペルー政府からメキシコからの飛行機の乗り入れを拒否される!

「え-!それでどうしたんですか?」
彼女
「しょうがないから、メキシコに入国してしばらく滞在してから、飛行機ががペルーへ飛びそうもないのでバスで行ったんです」

 中学・高校と地理をちゃんと勉強しなかった私は「中南米」の国々が今一つよく分かりません。
世界地図を見ながら彼女達が通ったであろうルート上の国を挙げると。
メキシコ→グアテマラ→ホンジュラス→ニカラグア→コスタリカ→パナマ→コロンビア→ベネズエラ→ブラジル→ペルー!!

優に5,000キロはありそうな道程です。
しかも、ルート上の国々の名前を眺めていると、危険な臭いがぷんぷんしてきませんか?


「中南米というと治安が悪そうですが、怖い思いはしませんでしたか?」
彼女
「夫婦で行動してましたので大丈夫です。でも、バスに乗ってる時間が長くてそれが大変でした」

しかし、彼女は怖いと思わなかったのでしょうが、私の身の上にこういうことが起こったらいやだな~と言うことがあったそうです。

 それは、ベネズエラ→ブラジルの旅行の時です。
ベネズエラで出会った日本人夫婦からこの国の人はモラルの低い人が多いから長居しないほうが良い、と忠告されたそうです。
本人達はそうでもないよね~、と何日間か滞在したそうですが、それからブラジルに入国した後ブラジルの銀行からカード使用に対して指摘があったそうです。
彼女達がブラジルに入国した後にもかかわらず、ベネズエラで彼女達の名義のクレジットカードが使用されていたとのこと。
つまり、ベネズエラでカードの情報がいつの間にか盗まれていたわけです。


「でも、不正使用なら旅行保険でいくらか補填されそうなもんですけど?」
彼女
「そうなんですよね~でも、レシート片っ端から捨てちゃってたんです~」

「・・・・」

 当然、会話しているわけですから私も「そうですか」ぐらいのことは言っていると思うのですが、小心者で石橋を叩いて渡る性格の私としては楽天的で大胆に行動してしまう彼女達に対して感嘆して言葉にならない・・・というぐらいの気持ちが表現上一番近く、
そこで文字としては「・・・・」となります。
こういう表現がさらに連発することになります。(つづく)