岡本太郎の「芸術は爆発だ!」のようなタイトルですが、今回は病院の話です。
 それは東京の上野で会社員をしていた12~3年前のことです。
夜の7時過ぎに会社あてに西日暮里の自宅から電話がかかってきました。
妻からの電話です。
用件は急に顔の左半分が腫れてしびれてきた、口も上手く開かないどうしよう、とのことです。
私はあわてて家に帰り、妻の顔を見たのですが、本当にお岩さんのように腫れてきてる。
しかも、口が開きにくいのか、ちゃんとしゃべれていないのです。
しびれの感覚は歯医者で麻酔を打たれた時のような麻痺した感覚との事。

 夜の8時をまわっていたのですが、近くの小さな総合病院に夜間外来で診てもらうことになったのです。
そこで出てきた医師(当時の私と同年代で30歳を少し超えたぐらいの年齢)は妻をベットの仰向けに寝かせ、おなかの触診を始めました。
そして、おもむろに言ったせりふが、
「あなたは何を目的に来たのかね。」
私はかなりむっとしたんですが、
「顔が麻痺してるということは脳に問題があるのではと心配になったので急遽診察をお願いしに来たのです。」
と、キレるのを我慢しながら答えたのです。
すると医師は
「今日は設備がもう動かないから、明日来て検査でもしたらどうですか」
とそっけなく追い返されたのです。

 今もって患者の主訴が顔がしびれてると、言ってるのに腹部の触診しかしなかったのはなぜなのかわからないのですが、当時の私は医学的知識が全く無く、そんなものかと思ったものです。

 さて、ここまでは私が病院に行って不愉快な思いをさせられたほんの一例です。
最近は病院経営も厳しいのか対応の良い医師が増え、こんな思いをすることも減ってきたのですが、昔は偉そうにふんぞり返っている医師が本当に多かったと思います。

 先日、こちらにお越しの女性の方からお聞きした話があります。
ご主人がのどの調子がよろしくない。
風邪でもないのにせきが止まらず、ヒリヒリする感じが続くとの事。
そこで、東京の有名な耳鼻咽喉科の病院で診察を受けて来たそうです。
丁寧に話を聞いてくれ、長い時間をとってファイバースコープの内視鏡で診察をしてくれ、その後の検査(たぶんCTスキャン)の結果について懇切丁寧に説明してくれたそうです。
その病院ではスタッフの対応も良いとの事です。

 私が聞いて何より感心したのはその病院のポリシーが
-医療はサービスである-
という考えに基づかれていることでした。
 以前、アロハカイロ&フットパラダイスのコラム☆ホメオスターシス(恒常性)その1,その2,その3☆で身体を一定に保つシステムとそれが崩れたとき(病気などで)修復してゆくシステムをご紹介しました。

 その折に私達が勉強をしたアメリカの生理学の本の序説から引用をしました。
その内容とは

-最良の医師とは生体の本来の治癒力を最も良く利用し、かつ効率的に補佐する者をいう。生体の持つ本来の治癒力とは生体の持つホメオスターシスを意味する。-

この授業の結びで生理学の先生が言っていたことが印象的です。
「最良の医師とは——補佐するものをいう、ということは補佐するんだからこれはもうサービス業なんですね。」

ちなみに今回話しに出た東京の有名な病院とは「医療法人財団 神尾記念病院」です。http://www.kamio.org/
ご興味のある方はこの病院のHPの基本理念をご覧下さい。
私も今のところ至って健康ですが、耳鼻咽喉科にお世話になるようなことがあるならばここへ行きたいと思います。