今回は治療院として看板を掲げていてそれに恥じないように頑張るという話です。
さて、今回は2003年12月に30歳代後半の女性の患者さんが来られた時の話です。

 彼女の来院されたときの主な症状は腰痛でした。過去整形外科でのMRIでの検査結果は腰椎の椎間板が減少していてほとんど無い状態に近いとのこと。
痺れは無いのですが、常に鈍痛があり1時間ほど歩くと急に辛くなりうずくまってしまうそうです。

 過去整形外科、治療院、接骨院等など色んな所に行ったけれど芳しい結果が得られなかったと、初回の問診時に仰っていました。

 さて、彼女には数多くのスポーツの趣味があり、その中でもフリークライミングがとりわけ好きなようです。
彼女の最終的な目標としてはこの腰痛を気にせずフリークライミングが存分に出来るようになることです。

 初回の調整が終わった時点で私と彼女との話で、まず歩いていてもうずくまったりしない状態にすること、それから、腰痛を緩和させてゆくこと、そして、様子を見てフリークライミングをしても腰に負荷がかからないような状態に持ってゆくこと、が共通の目標(調整の指針)となったのです。

 施術者としての私の立場からは、彼女は背骨の彎曲(横から見たS字カーブ)が強いタイプなので、まず、腰の彎曲を減らすことが目標になります。
患者としての彼女には、今までヨソで腹筋を鍛えろと言われてひたすら鍛え上げた硬く短縮した腹筋を逆に休めてもらうことにしました。

 5回の調整を終え、ある程度腰に対する目途がついた時点で次からはフリークライミングをしても腰に負荷がかからないよう、胸の部分の彎曲を減らしてゆこうという話になりました。
その折彼女が帰る間際に言った言葉が印象に残ったのです。

「病院では今の腰痛は手の施しようがない。それにあなたの腰ではフリークライミングのような運動は永久に止めたほうがいい、と言われました。でも、どうしてもフリークライミングをしたいんです!よろしくお願いします。」

 こういうセリフを聞くと俄然気合が入ります。
ヨソでダメでもウチで何とかできないものか!
他にもここアロハカイロ&フットパラダイスに来られる患者さんから聞いた話では

-病院から日常生活に支障はないのだからこの程度の不調は我慢していきましょう、と見放された-
-週2、3回のリハビリをするよう言われたけれど、ホットパックと電気をあてるだけで改善する兆しが見られない-

などと言う病院側からあきらめられたり、患者さん側があきらめたりしたりする。
そこで別の手段がないかと来院してくる。
こういう症例を私は「整形外科あきらめ案件」と呼んでます。
(ウソです。今思いついただけなのです)

 その後の彼女の経過はと言うと、最初の3ヵ月は2週間に1度のペースで調整をして、その後は1月に1度のペースで調整をして半年後の5月にはおっかなびっくりでも、フリークライミングを出来るようになりました。

 その後、何度かの腰痛が再発するたびにクライミングの現場からSOSの電話があったりもしたのですが、いまでもお元気にされていて2010年現在もたまにご来院されて調整を受けています。

 おかげ様で、病院で芳しくない症例でも一生懸命やれば改善するケースもあるんだ、という自信を彼女から貰ったように思います。
せっかく看板を掲げているのですから、それなりの格好のつく仕事をしたいじゃありませんか。